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KAZIKAZI ─ヨット、モーターボートの雑誌─ August 2006(株式会社 舵社)の今月の商品コラムに「モビクールCT2ODC」の紹介記事が掲載されました。

KAZI 掲載記事

桑名商品研究所
【所長:桑名幸一 主任研究員:中島淳 ヒラ研究員〔カメラ〕:宮崎克彦】

今月の商品
ポータブル冷・温蔵庫
モビクールCT20DC

半導体の特性を生かして
冷蔵と温蔵を切り替える

 今年の夏も暑くなりそうだが、冷えたビールでのどをいやす瞬間はなんともいえない快感。氷を詰めたクーラーボックスをデッキに持ち込むのもいいけど、フルーツなどを一緒に入れると氷がとけて水浸しになってしまう。こんな使い方でも大丈夫なのが、DC12ボルトで稼働する冷・温蔵庫「モビクール」だ。
 冷蔵庫の冷却システムには、家庭でおなじみのモーターを使うコンプレッサー方式と、半導体を使うペルティエ方式がある。モビクールは後者を採用した製品。ペルティエ方式の原理は、P型半導体とN型半導体という性格の異なる2つの半導体を結合した閉回路に直流電流を流すと、熱を吸収する冷却作用が働き、電流の向きを逆にすると、熱を発生させる加温作用が生まれることにある。
 1834年にフランスの物理学者ペルティエによって発見されたこの原理(ペルティエ効果)は、技術的には新しくないが、電流の向きを変えることで冷却と加温とが切り替わる特性を生かし、小型冷蔵庫などに応用されている。構造がシンプルで、庫内を広く使えるなどのメリットがあるものの、普及率はまだ低い。しかし最近では、半導体技術の進歩により、広い分野に使われるようになった。ホテルや病院の冷蔵庫をはじめ、家庭用ワインセラーにも組み込まれている。稼働部は、庫内の熱を吸い取る排熱ファンと、それを駆動するモーターだけなので、音はいたって静かだ。
 このペルティエ方式の原理を使ったコンパクトな冷・温蔵庫として2月に発売されたモビクールは、値段が手ごろだ。容量20リットルのCT20DCは8,800円(税込み)で、1.5リットル入りペットボトルが6本収まる容量。販売する桐生(東京・中央区)はエコ関連製品を取り扱う会社で、モビクールを香港から輸入するほか、ソーラーパネルや風力発電装置なども販売している。
  スペックを見ると、冷蔵は外周温度マイナス20度、温蔵は最高65度と記されている。外気温により異なるだろうが、冷蔵については30度の外周温度で庫内を10度に冷やす可能性がある。また、温蔵も期待できそうだ。60度前後の保温温度に設定される飲料の自動販売機なみに温めてくれるかもしれない。

常温のスイカとビールを冷やし、 冷えたハンバーガーを温め直す

 冷却テストには大型のX25DC(冷蔵専用)、加温テストには中型のCT20DC(冷・温蔵兼用)を使い、どれだけの能力があるかを調べた。電源の安定性を考えて、付属のDC12ボルトのシガープラグにAC100ボルトのアダプター(オプション)を接続し、室内でテストを行った。
 冷却テストでは、常温のスイカと缶入り飲料(ビール、ジュース)を冷やした。温度計のセンサー部を庫内に固定し、電源を入れる前の庫内温度(25.6度)を確認したうえで、30分ごとの温度変化を記録。最初の30分で4.4度、1時間後に6度下がったが、その後は小刻みに低下。温度計とにらめっこを続けた3時間30分後、庫内は14.8度まで下がり、テスト前に比べて10.8度の温度差に。スイカを試食したところ、適度な冷え方で及第点。缶ビールは正直言って冷え方が不十分で、切れ味が鈍かった。庫内を10度以下に下げて、常温の飲み物をキンキンに冷やすのは荷が重いようだ。出がけに家の冷蔵庫で冷やしたものを詰め、その温度を維持するのが本来の使い方なのだろう。
 一方、加温テストでは、冷えたハンバーガーなどを庫内に入れ、15分ごとに温度チェックをした。電源を入れる前の庫内温度は27.5度。最初の15分で8.8度、30分後に14.4度も上昇し、冷却テストに比べて温度変化が著しい。1時間45分続けた結果、50度に達し、テスト前より22.5度も上昇した。温度計測に目が離せず昼食をとり損ねた研究所3人組は、店内で食するのと同じくらいの温かさに回復したハンバーガーに感動しつつ、空腹を満たしたのでありました。

オレにも言わせて!

中島主任研究員
 「普通のクーラーボックスでも5,000円以上するものが多いことを考えると、この商品はお買い得。車での併用を考えると、個人的には7リットルタイプがお気に入り。デザインもかわいい」

宮崎ヒラ研究員
「食べ物の実験は大歓迎なんだけど、今回もなかなか我慢を強いられる戦いに。飲料の温度はカラカラののどには合格点。ハンバーガーにいたってはまったく問題なし。正確なデータを収集するためにも、次はもっと大量に実験材料を用意しよう」

Product Test [商品テスト]

■ 冷却テスト

  1. 常温のスイカ(8分の1切れ)と、ビールなど缶入り飲料を庫内に収納。さて、どれほど冷えるだろうか
  2. 温度計のセンサー部を庫内に固定し、表示部を外(冷蔵中はふたの上)に置き、温度チェック準備完了
  3. ふたを閉め、電源を入れる前の庫内温度は25.6度。室温は26度で、テスト環境は申し分ない
  4. 1時間後に庫内温度は19.6度に下がり、その後は15分当たり0.5度前後の幅で少しずつ下がった
  5. 210分(3時間30分)辛抱した結果、庫内温度は14.8度に。あと2〜3度冷えれば文句なし
  6. 冷却テストの結果。60分(1時間)過ぎから冷え方が鈍り始めた。もうひとふんばりに期待したのだが

■ 加温テスト

  1. 冷えたハンバーガー3つとコーヒーを庫内にセット。電源を入れる前の庫内温度は27.5度あった
  2. 105分(1時間45分)後の庫内は50度に上昇。温かいハンバーガーに変身し、満足感を与えてくれた
  3. 加温テストの結果。冷却テストに比べ、カーブの伸びに勢いがある。カレーなどの保温に向いている
 

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